歴史小説
歴史小説とは英語で“historical novel”と訳され、歴史上の人物や事件をテーマにして書き上げられた小説のことです。
残されている史料に基づいて物語を再構築していくという特徴がありますが、小説に不可欠となる登場人物の心の内などは必然的に作家の想像によるものとなります。
作家の志向性で簡単に実際の歴史的事実からかけ離れていく内容になっているものも少なくありません。
そのために、根本的には「小説」であって、「歴史」そのものではないのです。
西洋文学における歴史小説の先駆者は、19世紀頭のイギリス・スコットランドの小説家・ウォルター・スコットで、『ウェイヴァリー』を始めとした一連の作品で歴史小説という新ジャンルを確立しました。
日本では戦前で主な作品は島崎藤村の『夜明け前』くらいでしたが、昭和期に、吉川英治の『宮本武蔵』や『新・平家物語』などで多くの読者を獲得したことにより、大衆文学として発達していきました。