私小説
私小説は「わたくし小説」とも呼ばれ、作者が自分自身の経歴や身の回りの出来事を語っている日本文学独自の小説のジャンルです。
20世紀の日本において確立されたもので、「心境小説」と呼ぶことがありますが、私小説と心境小説は区別されることもあるので一概に一括りにはできません。
モノローグ的な性格を持っている物語のなかで、主人公=作者となり、精神的な成長や人格が深まっていく様をテーマとしているものが多くなっています。
客観的に描写するのではなくて、ある対象を見た作者の内面描写を中心に描かれています。
小説の中では、作者と作品中の主人公は同じではないことがほとんどですが、私小説の観点からすると、主人公が作者本人と同一視されて作者自身の経歴と比較して研究されることもあります。
また、逆に、一人称の小説すべてが私小説とはいえないので注意しましょう。
私小説の代表的な作品は、梶井基次郎『檸檬』、太宰治『津軽』『富岳百景』などがあげられます。